□ 部屋とノワールとわたし(ノワール感想文) □ タイトルには意味無いです(笑)ノワール見て私が感じたこと、ハマッたポイントなどを つらつら書いてみました。ちょっと長いので、暇なときにでも読んでもらえたら嬉しいです。
現実にありそうなリアルな物語、華麗なガンアクション、それを引き立たせる、暴力的なまでに美しい音楽、 そして、一流の暗殺者でありながら、揺れ動く心に苦悩する多感な年齢の主人公達・・・。 ― これが、ノワールの世界観です。 全体的に「大人が対象」な雰囲気で、演出は地味ですが、さりげないセンスの良さがあります。 簡単に言うと「小粋なフランス映画」って感じ(よけい訳分からんぞ)とにかくスタイリッシュ。 私が一番最初に惚れたのは、音楽です。最初に本作を知ったのは、絵とか物語のあらすじを何かで 見せて貰ったのがきっかけでした。もともと「レオン」とか「ニキータ」などの映画が好きだった のもあって、放送前から「ノワール」は見てみたいと思っていたのですが、放送地域が関東のみ だったのでそこで「じゃあええわ」と思って諦めていました。しかしふとしたときに音楽を耳にし (確かsalva
nos)アニメのBGMにしては変わっててセンスええなぁ。と、そこで惚れてしまいました。 もちろん音楽以外のキャラクターや物語も素晴らしいのですが、最初から最後まで私は音楽に惚れっぱ なしでした。音楽から見始めたアニメはこれで2度目(一度目はウテナでした)ですが、音楽から 入って全て好きになって、ここまでハマったのは初めてです。ウテナはすぐ飽きてしまったので(笑) アニメは普段ほとんど見ませんので、ウンチクをたれるほどアニメに詳しくないため、細かい 評論は出来ませんが、ノワールを見て私が感じたことを書いてみます。ネタバレの少ない感想文? 本作のレビューは、TEXTに置いています。そっちはめちゃめちゃネタばらしまくりーです。 ノワールは、人の生命を奪って糧を得ている哀しい少女達のお話ですが、友情の話でもあります。
親友っていうのは「その人のいい所を認め、嫌な部分は受け入れて、いい所も悪い所もひっくるめて その人を愛せる」っていうのがそうなのかな?と思います。 ある人と親しくなってしばらくたった頃、今まで見たことも無いその人のワガママを見てしまったとき。 それも含めてその人の個性であり魅力だと思えたら、ホンモノの友達になれますが、「こいつこんな嫌な奴やったんか」と 思って腹を立ててしまったまま終わってしまえば、それは都合のいい知人にしかならないと思います。 人はそれぞれが違う個性を持っていて、いい所と悪い所が必ずあるものです。 それを全て受け入れられないということは、人を愛することが出来ない事に繋がり 愛することが出来なければ、愛してもらうことは出来ないものです。 前置きが長くなりましたが、その状況が霧香とミレイユの関係にも言えます。 霧香とミレイユの性格、育った環境などは全くの正反対です。共通点なんか無いように見えます。 ミレイユ自身、最初は霧香の事を理解できずに冷たくあしらっていた部分があります。 霧香は霧香で、不可解な自分自身に苦悩しながらも必死にミレイユについていきます。 愛されなくても、愛を必死に伝える霧香。 その愛に気付いて、今までの自分の行動に後悔し始めるミレイユ。 霧香の強い想いと、過去の後悔が引き金になってより一層強くなる愛しさを感じたミレイユ。 そこから二人の友情は揺るがないものになっていきます。 個人的な主観でモノを言ってすいません。人間同士の付き合いや、友情というものが希薄になりつつ ある世の中ですが、最も大事なものはこういう気持ちを持つことだと思っています。 友達が危機に瀕したとき、自分の身を呈してでも、友達を救おうとする気持ち。 その人がどういう人か分かったうえで、全てを受け入れ好きになること。 絵柄や音楽、そういった部分でも高い評価を得たらしい本作ですが、ストーリーの根底に流れる そうした絆の物語に感動してしまいました。それをベタベタ描写しないとこがセンス良し。 確かに本作を見て「ちょっと中途半端?」と思ったこともありました。でも、物語の本心は 充分理解できたので、良かったかな〜と私は勝手に思っています。 賛美両論いろいろ飛び交っていますが、私はノワールは玄人なアニメであると思います。「玄」とは、 墨を重ねて重ねて、真っ黒になる一歩手前で色を控えて、見た人に色んな解釈を楽しむ余裕を残した 色のことを言います。完璧なもの、というのは個人の定義によって変わってきますし、作り手に全て 与えられたものに満足するのも面白くないなと思います。したがってノワールの物語の中途半端な部分は、 作り手の玄人気質たるものだと考えて楽しむべきではないでしょうか。
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